そこで、応援の意味を込めまして、以前にも書いたことがありますが、「模試の成績と入試結果の相関性」を改めて述べさせて頂きます。
9月から本格的に模試が始まることと思います。何かのご参考になれば幸いです。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言われます。私が書くことは、たった2人から得た「経験」に過ぎませんので、当てになりませんが、塾の先生(特にベテランの先生)がお話しする「経験」談は、前述の「歴史」に近いものだと考えてもいいと思います。つまり、先生が「経験」を元にお話しすることは、その通りになることが多いということです。
どの塾でも、サピックスオープンや合不合判定テストのような、全範囲を数回に分けて網羅的に出題するタイプ(以後、SO・合不合型)、と学校別の2つのタイプの模試を今後受けることと思います。
さて、SO・合不合型の成績(判定)と学校校別の成績(判定)・・・一体、どちらの模試の成績の方が実際の入試結果との相関性が高いのでしょうか?
これは、毎年必ず議論になる永遠のテーマです。もちろん、結局は人によりますので、正解はないのでしょう。ただ、これら2つのタイプの模試の結果で出願する学校を決めることになるのですから、悩ましい問題です。
姉さんの通っていたサピックスの先生は完全に「SO・合不合型」派でした。「志望校別など、1回か2回しかないし、やる時期も早いものは9月。9月と2月の受験生は全く別人であり、少なくとも12月まで毎月実施される「SO・合不合型」の成績(の平均)の方が相関性は自分の経験上高い」とのこと。
ちなみに、サピの先生はSOの成績に加えて、SSの席次を重視してました(もちろん、両者が大きく乖離することはないでしょうが・・・)。
一方、妹ちゃんの通っていた早稲田アカデミーの先生は、やや曖昧で、校舎の先生は主に「合不合」の成績で判断していたようですが、NNの先生はNNで行われる模試の成績とNNにおける順位で判断していたようです。
ちなみに、NNはサピックス(一部の校舎を除く)とは異なり、普段の校舎(先生)で受けないですし、普段の校舎の先生とNNの先生の間の連絡が十分という感じでもありませんでしたので、いろいろな面で若干やりづらかったです。
ここで、姉さんの秋からの成績(一昨年)をご覧ください。
(サッピクスオープン:持ち偏差値:S65.1)
第1回 偏差値(男女別4科) 64.4
第2回 同 63.9
第3回 同 61.1
第4回 同 70.9
※4回分のパーセントの数字を足して、200を超えれば合格可能性ありという説があります。
※当時のサピ80%偏差値は、桜蔭62、渋幕63でした。
(志望校別サピックスオープン)
第1回桜蔭 偏差値58.1 80%
第2回桜蔭 偏差値53.6 70%
渋幕 偏差値45.5 30%
渋渋 偏差値(男女別4科)57.0 50%
どちらのタイプの模試も、あまり凸凹のない数値ですので、ご参考になるか分かりませんが、結果を見ると、サピックスオープン(持ち偏差値65.1)通りの結果となり、学校別(特に渋幕)の結果は全く当てになりませんでした(逆に言うと、姉さんの渋幕SOの成績は、ある程度高レベルで安定していても、渋幕に限って言えば、このように大きく崩れる「事故」が起こり得るということを示唆しているのかもしれません)。
次に妹ちゃんの秋からの成績(昨年)をご覧ください。
(四谷大塚合不合:持ち偏差値:Y63.0)
第3回 偏差値 62.0
第4回 偏差値 64.0
第5回 偏差値 63.0
第6回 偏差値 63.0
(NN模試)
概ね合格可能性20%~45%でした。
妹ちゃんの場合、大きく崩れることも、逆に爆発力を発揮することもなく、Y63で受験に突入しました。結果は、Y65までの学校までは概ね合格を頂きましたが、66以上の学校に合格することは叶いませんでしたので、合不合、NN模試の通りでした。
娘2人や周りのお友達の結果等を聞いた上で達した私の個人的な見解を申し上げますと、サピックスの先生と同じく、SO・合不合型の方が学校別よりも入試結果との相関性は高いと思っています。
どんなに「特徴」や「癖」のある問題であっても、結局のところ、それを確実に解くためには、どの問題にも通用する普遍的な実力こそ必要だと思います。「SO・合不合型は全然できないけど、この学校の問題だけは特訓したから良くできる!」などということは、現実にはほとんどないのでは・・・
むろん、(主に個別や家庭教師による)特定の学校の対策のみに特化した特訓で合格できたパターンもあるにはあるのでしょうが、実際問題、成績が足りないまま本番が近づいてしまった際に、そのような「逆転パターンの物語」に一縷の望みを託したところで、まず叶わないと思います(黒先生のブログの失敗パターンはほぼこれなのでは?)。
ちょっと言いづらいですが、例えば、早稲アカの渋幕の合格者のほとんどを、渋幕の「特徴的な」問題に対する対策に力を入れていないはずのNN御三家勢上位層が占めている理由も同じことだと思っています。
※NN渋幕生がNN御三家生に実力で劣っているということではなく、渋幕合格を目指すなら、NN渋幕のように、渋幕の「特徴的な」問題への対策ばかりに力を入れるばかりではなく、他にもやり方はあるという意味です。ちなみに、私の知る限り、サピックスのSS(渋幕)は、NN渋幕ほど極端な対策ではなく、どの学校でも通用するような演習も多いです。それでも、SS(渋幕)から渋幕合格者は多数出ていますし、逆に、SS(渋幕)から御三家合格者も普通にいます。極端に言えば、SSでどっちに行っても、結果はSOの持ち偏差通りになるだけです。
まず優先すべきは、SO・合不合型の模試で確実に得点できるよう、地に足の着いた勉強をすることで(もちろん過去問や志望校対策も進めますが)、志望校に特化した勉強に振り回され過ぎないようにしましょう。個々の学校の傾向と対策にとらわれすぎると、過去問も回らなくなってしまいますね(やることが増えすぎて勉強時間が足りなくなってしまう・・・)。
※お知らせ※
ブログでは詳細なことを書くことができないため、もし質問等がある方がいらっしゃいましたら、下記までご連絡下さい。その際、バックグラウンド(学年、性別、塾名、志望校、成績等)をお書き頂ければ、分かる範囲ではございますが、できる限り誠実にお答えさせて頂きます。
2年連続(2019・2020)で中学受験を経験、姉はサピックス、妹は早稲アカ。合格校は2人で桜蔭、渋幕、市川(特待)、浦和明の星、頌栄女子学院、専大松戸、開智日本橋(特待)、開智、長崎日大(特待)。合計17戦、12勝5敗(姉は全勝)。いろいろな経験をしました。
questionjuken●yahoo.co.jp(●を@に変えてください)
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